NO MAN NO CRY

好きなものがたくさんあって楽しい。

幕が上がる

















主演:ももいろクローバーZ
監督:本広克行
脚本:喜安浩平
原作:平田オリザ

昨日、「幕が上がる」を見てきました。ももいろクローバーZが主演、監督は「踊る大捜査線シリーズ」の本広克行、脚本は「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平という話題作です。

私は2011年の夏頃からももクロにどっぷりハマり、ももクロ経由でDDになりました。他に推しが増えたこともあり、特に国立でのライブ以降、以前のようには熱心にももクロの情報を追わなくなっています。

「幕が上がる」についても前情報をほとんど入れていませんでした。予告編や番宣は観ていなかったし、製作陣のインタビューなどもほとんど読んでいない状態。ただ一部Twitter上で絶賛する声が拡散されてきたり、先に見た友人からの酷評を聞いたりと、賛否の両方は耳にしてました。


そんな状態で映画を観終えた感想です。
「青春映画」としては決してよくない。余計な演出も多いし、イライラもする。でも「アイドル映画」として、ももクロ好きな立場として見る分には嫌いじゃない…というか、うん、好きでした。


もともとTwitterで見ていた絶賛の声っていうのがかなり疑わしいものだったんです。

 「これはもはやアイドル映画ではない!」とか
 「青春映画として上質で素晴らしい!泣ける!」とか
 「ももクロだってことを忘れて観てました…」などなど。

本広監督×ももクロでそんなわけあるか!と思ってて。でも半信半疑とはいえ、桐島の喜安さん脚本だし、もしかしてもしかしたら…って気持ちで観に行ったのです。

そしたらやっぱり前半はかなりしんどかったですね…。メンバーの決して上手くない演技もさることながら、夏菜子の心情描写を全て本人のナレーションで差し込む演出にイライラ。これが2時間続くとかなり辛いぞ…ってな気持ちで観てました。


気持ちが切り替わったのは映画の中盤でした。夏菜子と杏果が2人で夜の駅のホームで語り合うシーンです。あまり正直に書くのは憚られるのですが、ここの杏果の演技がちょっと拙すぎたんです。しかも、「演劇強豪校から転校してきた即戦力!」的な役どころだったために余計に違和感がありまして。

でも、このシーンを観て「ひどいなぁ」と思いながらですね、私気づいたらニコニコしちゃってたんですよ。

なるほどそういうことかと。ここで思い直しました。ももクロのLiveでもそうです。日頃から、アイドルに対して「歌が上手い」ことはそんなに期待していません。それよりも心を揺さぶる何かや、真剣な表情、メンバーの関係性などなど、アイドルにはアイドルの楽しみ方ってのがあるのです。


後半は「青春映画」としてではなく「アイドル映画」として観ました。映画批評的な目線を和らげて、少し寛容な気持ちで。そうすると、純粋にいいシーンはたくさんあるし、好きなところが沢山見えてきたんです。ヤキモチ妬くしおりん可愛いし、れにちゃんがはしゃぐとほっこりするし、夏菜子の眼力で画が引き締まるし。そうこうするうちに、気づけばストーリーにしっかりのめり込んでました。

さらには、後半に進むにつれてメンバーの演技力がちゃんと上がっていくのを感じました。これって実力派揃いの青春映画では絶対に無い体験ですよね。すると、前半であんなにしつこく入れていた「心情描写をナレーションで全部説明する」という余計な演出も、後半には無くなります。不要になったんですね。撮影序盤の演技力では、きっと入れざるを得なかったのでしょう。

脇を固めるムロツヨシさん、黒木華さんの演技は掛け値なしに素晴らしかった。黒木さん、初めて拝見しましたがもう一気にファンです。

ところどころに出てくる、誰が喜ぶのかわからない安易な関係者のカメオ出演など、要らないなぁ…って思う演出は最後の最後までちょこちょこ挟み込まれます。まぁでも、それすらも「ももクロっぽい」と言えばそうなんですよね。ももクロあるあるです。いつもLiveで感じてることです。でも松崎しげるは絶対に階段を上がってくる途中までの、暗くて誰だかよくわからないワンカットだけの方がよかったな。


というわけで、なんだかんだ観終えた後には「あぁ、楽しかった」って思っちゃいました。もう1回見返したら、序盤のあれこれすらも愛おしく思えるかもしれません。ただ、「これは青春映画として素晴らしい!」なんて言ってる人には全然同調できないし、ももクロに興味が無い人やアイドルに興味が無い人が観て楽しめるかはちょっとわかりません。逆に、杏果のあのシーンをみてニコニコしちゃう体質の人は何度観ても楽しめちゃうんじゃないかな。何を期待してこの映画を見るかで、評価が大きく割れるのだと思います。


という、アイドルDDとしての「幕が上がる」感想でした。観に行ってよかった。

今夜はTBSラジオ、タマフルの「ムービーウォッチメン」のコーナーで宇多丸さんの「幕が上がる」評が聴けるし、他の方の感想もいろいろネットに上がっているので読み比べてみようと思います。




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